スモールボートセーリング - Small Boat Sailing

ホビーアドベンチャーアイランドを改造しながらセーリングを楽しむブログ

1級船舶免許


コロナ禍でどこにも行けないし、前から取りたいと思っていた1級船舶免許に挑戦してみることにしました。
特にエンジン付きの船に乗るとかの予定もないのですが、取っておいて損はないだろうというのと、また少しラクに取れる2級、という手もありますが、手間や難易度はそれほど違わなさそうなので、ここは1級でしょう、と。

通うことにしたのは職場にも近い東京ハーバー
申し込みはwebで完了、学科(4日間)+実技(1日)=合計5日間で免許が取得できるというコースです。ここが良いのは国家試験が免除になるところ。多少他より学費は高いんですが、この国家試験免除と、東京港内で実技試験が受けられること、あと職場にも近い(出社した後にレッスンを受けられる)ということでここに決めました。

<1日目>
最初に医師による問診があって受験に問題ないかの簡単な検査を受けます。
それが終わったら最初の学科授業。
生徒さんは10名くらい。おじさんばかりと思いきや、、意外と若い人や女性も3割くらいいました。授業は教本に沿って淡々と進みます。
教本もすべてのページを網羅するのではなく、飛ばし飛ばし、試験に出るところだけやるという効率の良さ。
勉強になるなと思ったのは、海上衝突予防法など、他の船と行き会ったときの回避の仕方などはAIに乗るときも覚えておいて損はないなと。(もちろん試験にも出るし)

<2日目>
1日目の翌日に受講。
船の燈火、形象物などは種類が多くて覚えるのがちょっと大変。
授業が終わって休み時間の後は1回目の修了審査(学科)。
ここ2日かなり詰め込んで覚えたので、まあまあラクに合格!

<3日目>
この日が授業の中で一番ハードに感じました。とにかく海図関係がめんどくさい。三角定規とコンパスで海図上のあちこち測ったり、線を引っ張ったり。線を引くのも正確に引かないとすぐに狂うので集中力がいるし。あと天気関係も学生時代の理科みたいで苦手。。

<4日目>
この日は主に船のエンジン関係。このへんは車やバイクのエンジンで鍛えているので楽勝。
授業が終わって休み時間の後は2回目の修了審査(学科)。
丸暗記できる知識はいいけど、やっぱり海図の問題は繊細な線引きも要求されるしちょっと苦労しました。それでもなんとか合格!あとは実技のみ!
実技教習は実際に東京港に船で出るので楽しみです。

<5日目>
そしていよいよ7月17日、実技実習+最後の実技修了審査。
受けるのは僕ともう1人、若い女性。
暑くて大変だったけど、風も2−3mで影響少なそうだし、強風とか雨よりはいいのかな。
午前中にボートに2人で乗り込み、教官からひと通り修了審査に出そうな項目を学びます。
乗るのは26フィートのこのボート(トヨタ ボーナム)。審査も同じボートで行われるそうです。

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26フィートといっても船室は狭くて、教官含め3人がソーシャルディスタンスを取りながらの教習だったので、ちょっと運転を替わったりするのが大変でした。

まずは桟橋に停めた状態で船の各部の名称や位置、機能の説明、ハンドコンパスの使い方、ロープワークなどひと通り。ロープは普段からやっているので全く問題なし。
それが終わるといよいよ出艇、運河を通って東京港に出ます。
天気もいいし広いところに出ると気持ちいい。
ちょうどオリンピックが始まる直前だったので、もう入村している選手も多かったらしく、晴海の選手村のマンション群のベランダには各国の国旗がはためいていたり、選手村の沖には巡視船が数隻パトロールしていました。

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これが選手村。左の方にちょっとだけ巡視船が写っています。

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教官によるとふだんはこの晴海とレインボーブリッジに挟まれた海域で実技教習と実技修了審査をやるらしいのですが、海保からオリンピックの前後期間中は別の海域での教習を要請されているらしく、我々はさらに先のゲートブリッジの内側辺りの海域で実施しました。
教習所から教習海域の往復中は何もすることがないのでちょっと観光気分で撮影する余裕もありましたが、当然ながら教習中は一切そんな余裕は無し。。

教習は最初に教官がやって見せてくれて、同じことを1人1人2-3回ずつやってみる形式。
基本的な直進、旋回、変針、バック、スラローム、人命救助など。
一番難しかったのがバックかな。。バックの時は当然後ろを振り向きながら操縦するのですが、なぜか車ではいつもやっているはずのことがうまくできない。。ハンドルを切りすぎたり、切りすぎたと思って戻したら戻しすぎたり。。フラフラでした。
ディンギーのティラーやAIのハンドルと違って、丸いハンドルは中立の位置がぱっと見でわかりにくいのが一番の原因。右左にいっぱい切った状態から何回転回すと中立位置、というふうに覚えなくてはなりません。この何回転、も船によって違うそうです。

あとは想像していたよりは簡単でした。人命救助は人に見立てたブイを立ててそこに向かって変針して最終的にはそのブイに船首をピッタリ付けなくてはならないのですが、意外と簡単。ただ本当に人が落水したときは気が動転してこんなに落ち着いてできないんだろうな。
何事も場数をたくさん踏むしかないのだと思います。
あと最後に出艇場所に戻ってきて着岸。これも難しかった。何回やってもちょっと勢いつきすぎてうまくいかなかったので本番が不安。

午前中の教習が終わると、お昼休みをはさんで午後は別の教官と共にまた同じ海域まで行き、本番の修了審査(実技)です。
審査の事細かなことは書きませんが、やっぱり着岸は失敗。どーん、と派手に岸にぶつけてしまいました。。あと2回くらい目視確認を忘れたかな。

多々不安はあったけど、同日夕方17時に発表になった合格リストには自分の番号がしっかりとありました。ホッ、、よかった。。

そして後日、自宅に免許証が届きました。
当面使う予定はないんだけど、まずは良かった〜。
教習で習った航行区域とか、海上衝突予防法、浮標の種類とかの情報、天気関係の知識はAIに乗っていても役に立ちそうだな、と思いました。