スモールボートセーリング - Small Boat Sailing

ホビーアドベンチャーアイランドを改造しながらセーリングを楽しむブログ

AIをカートップで運ぶ 4

懸案だった斜めスロープと水平部を繋ぐアール部分の解決策が見つかって設計がほぼ終わりました。
アルミフレームを販売しているミスミで30mm角のアルミフレームを指定のRで曲げ加工してくれるサービスがあるのを発見。アール値は完全に自由ではなくて数種類の中から選ぶ感じですが、これが使えそう。
R曲げ加工したものを2等分にカットして使うことで、前後2本のスロープと水平部をつなく部分を実現します。


スロープ部と水平のTHULEキャリアバーの接合部分はこんな感じ。
積み降ろし時はキャリアバーの端の樹脂キャップを外してそこにスロープ部を差し込んでボルトで固定するイメージです。
キャリアバーに差し込む部分の最低限のパーツだけカスタムオーダーで製作予定。

スロープ部は走行時は取り外して車内に保管かキャリアに積むイメージです。
また積み降ろしする場所の地面の凹凸を柔軟に吸収できるように、スロープ角度を多少調整できるようにしてあります。


全体像はこんな感じ。


フネ側のロープを支えるローラーはABS樹脂の丸棒を削って作ります。
これがないと上げ下ろしの時にロープがアルミフレームの角で擦れてしまうためです。
軸はステンレスの丸棒、両側の軸受部は汎用のアルミL字金具。


反対側の固定ブロック部分。
ここで力の向きを90度変えます。
ブロック位置の高さ調整のためにアルミフレームとの間にアルミの台座を入れています。



ウインチはアルミフレームを挟み込むように取り付け。
ウインチは走行時の空気抵抗も大きそうだし、走行中は取り外す前提。


こんな感じに基本設計上はなんとかなりそうです。
あとは2本の渡したアルミフレームが荷重を受けると左右方向と下方向にたわむかもしれないので若干補強が必要かもしれませんが、それは実際にやりながら考えていきます。

本当はアルミフレームも30x30ではなく40x40の方が強度的に安心なんですが、あまり屋根に積むものの重量増やしたくないので、30x30が妥当なところかと。。

いくつかは手持ちの部材を使いつつ、必要な部材を発注して組み立てていきます。
ちゃんと設計通りにうまくいくのでしょうか。。




セーリング 和田長浜

ひさしぶりの海です。
最高気温21度、風は北東風が1日中安定して吹きそうなので、和田長浜までチャレンジしてみることにしました。今まで泊まりがけでしか行ったことはなく、1日で往復は初めてです。

9時半に逗子を出発、湾口の赤灯台を回るとすぐにスピンを上げてクォーターリーくらいで進みます。風は4−5m。びゅんびゅん進んで30分もしないうちに長者ヶ崎沖通過。
ここから定置網の南側をかすめる作戦で遠くに見える荒崎の先端あたりを目指します。
でも結局よけきれず、佐島沖の定置網にぶつかってしまいました。
定置網って海面スレスレにしか見えないし、かなり近づかないと認識できないんですよね。。クローズで陸寄りに大回りして迂回。

佐島を過ぎるといつものように小田和湾を吹き渡ってきた風が強くなるので早めにスピンはおろして南下。荒崎沖に近づくにつれて風は強くなって推定8mくらい。最終的にはちょっとリーフしました。

荒崎を回るとクローズで東に進みます。


荒崎を回ってからは、荒崎〜ソレイユの丘のブランケットになってちょっと風がなくなるときもありましたが、クローズ1本で和田長浜まで行くことができました。


最後は何度かタックして浜に着いたのが11時半ごろ。
2時間で和田長浜まで来れました!めちゃくちゃ順調。

浜はキャンプのお客さんで賑わってました。



ここはいつ来てものんびりしたゆるい空気が流れてる気がして好きな浜のひとつです。
15分ほどのんびりしてからすぐに出発。まだまだ帰りは長いんです。

浜を出てからはまたクォーターリーで遠くに見えた亀城礁のブイを目標に。
風がいい感じなので、20分くらいで亀城礁に着いてしまいました。
今は中潮の干潮時に近いので、ブイの周りには洗岩がけっこう見えました。前回には見えなかったのに、かなり岩が隠れてるんですね。


ブイの北側にもこんな感じの岩礁地帯が。


走っている水面下もよく見るとけっこうすれすれの岩がたくさん見えてあわててダガーボードとラダーを上げました。特に干潮時、ここはあんまり近づかない方がよさそうです。

亀城礁からは遠くの方に霞んで見える逗子マリーナのマンション群を目標にクローズホールド一直線で。途中ブローがきつくて1時リーフしたりもしました。ただ今日は風の割にうねりは少なめなのが助かります。

フネの上でおにぎりランチを食べながら進み、森戸の赤鳥居までタックなしで1直線。帰りは定置網にぶつかることもなく、この亀城礁→逗子マリーナ目指しのラインは効率も良くていいですね。

逗子に着いたのは13時半。
和田長浜での休憩15分を除くと、3時間45分で往復することができました。
今日は風も安定してずっと5−8m吹いて、うねりも少なく最高のコンディション。

干潮時はちょっと過ぎてたのですが、逗子の浜もこんな感じ。
こんなに引いて岩が露出した逗子の浜は初めて見ました。


今日のログです。
最高スピードは行きのスピン展開時で16km/hでした。
向かって左側のラインが帰りのラインで、往きの右のラインでぐしゃぐしゃとタックで切り返した定置網の南側をうまく避けて通れているのがログからもわかります。













AIをカートップで運ぶ 3 

今回は使用する各部の市販のパーツについて。

船体をルーフトップまで引っ張り上げるハンドウインチは、価格とサイズのバランスでこれがよさそう。見た目上は御本家についているものと同じような感じに見えます。
引っ張り重量727kgまでなので充分すぎる性能で、9083円。
材質がスチールなんですが、海水が掛かっても洗い流す前提です。

エスコ 727kg ハンドウインチ(自動ブレーキ付) EA989SC-4


固定式の滑車は見た目上なるべく背の低いものが、スリーエッチのステンレス製のものを見つけました。



部品の選定をしながらPCでも基本設計をスタート。
これは正面図のイメージ。
車、フネともに検討用なのであくまでもラフイメージで、そこにCGで合成しています。
斜めの赤っぽいのが引っ張り上げるロープで、斜めのスロープはまだ未設計。


引っ張り上げる斜度は45度よりややゆるめを想定していますが、これも作り勝手次第で今後柔軟に変えていくかも。
これを見ると上げ/積み降ろし時には車の横にだいたい車1台分のスペースが必要そうです。

そしてこれが既存のTUHLEの前後のキャリアバーを繋ぐようなアルミフレームのCGイメージ。
バーとバーの前後間隔はなるべく長い方が安定するので、174cmで設定。
この間隔は、船体を滑り上げるときのスロープの間隔にもなるので、広いのに越したことはないと思います。


THULEのキャリアバーの3Dデータはネットから拾ってきました。
作っておいてくれた先人に感謝。

データ上はまっすぐのキャリアバーですが、改めて自分の車に付いているバーをよく観察したら、まっすぐだと思っていたのが車のセンターに向かって盛り上がるように微妙に弓状にアールが付いています。
設計上これが問題になることはないのですが、ルーフキャリアのバーってまっすぐじゃないんだ、、と。
なお今回の設計上はこのアールは無視しています。

THULEのバーとアルミフレームの接合はこんな感じ。
(同じくCADでモデリングしてCG化)
M6のボルトと板ナットでTHULEのバーもろとも上下に挟み込むような構造です。
(画像の黄色いパーツがアルミの板ナット。わかりやすく色をつけています)

本当はTHULEのバーの両端には黒い樹脂のキャップが付いているのですが、
このシステムを付けるときは少なくとも片側2個はキャップを外す前提になり

このキャップを外したバーの内部空間は自由に使えるので、ここを使ってアルミフレームの固定やスロープ部分の固定など、いろいろ工夫ができそうということもわかりました。


今後この前後に渡したアルミフレームに滑車やウインチを取り付けるような感じになると思います。
あとは最難関の斜めのスロープ部分とその接続部分をどう作るか、、引き続き悩み中。

ラダーシステムの改造

これはだいぶ前にやったカスタムですが、アップするのを忘れてました。。

AIのラダーシステムは、ハル(船体)の中を細い白いラインが通っていて、そのラインを通して左手のレバーハンドルでコントロールするようになっています。

前を向いて左側にハンドルがあるので、トランポリンに乗っている間(特に右側トランポリン)はハンドルに手が届きません。ハンドルに付ける専用エクステンションも純正で売られていますが、ネットでは有名な日本人のハジメさんという方が考案した「ハジメシステム」という定番のカスタム方法があって、私も購入後すぐにそれをマネさせてもらっています。

全体像はこんな感じ。
コックピットの後ろに左右に通っているイエローのロープを左右に引っ張ってラダーをコントロールする構造です。


改造作業の難易度は低めです。

<用意するもの>
・6mmロープ 5.4m程度  1本 (コントロールロープ用)
・3-4mmロープ     1.4m程度 x2本 (ラダーロープ用)
・6-8mm用シングルブロック 2個
・6-8mm用固定シングルブロック 2個
・ステンレスリング 2個
・ステンレスのドリルビス 4本

※残念ながら採用したロンスタンの固定シングルブロックは今は廃番になってしまったようです。

シングルブロックはこれ。


そしてステンレスリングはこれ。


まずラダーの左右のフィン部分にある穴にステンレスリングを取り付け、そのリングに舫い結びでラダーロープを付けます。新たに穴あけをしないで既存の穴をそのまま利用するのがポイント。


ロープのもう1方の端は、やはり舫い結びでシングルブロックを付けます。


次にコントロールロープを通すための固定ブロックをAKAの直線部のなるべく外側にシーブ(回転する部分)が地面と平行になるようにAKAパイプの後端に取り付けます。
取り付けはステンレスのドリルビス2本で。
(画像はポートサイドです)

取り付け位置は、トランポリンを付けている場合はトランポリンの固定ベルトと被らないような位置に付けます。

作業としてはこれで出来上がり。



艤装はコントロールロープをAKAのブロックに通してからラダー側のブロックに通し、ロープの端をAKAに舫い結び。これを左右同じようにやります。


コントロールロープはたわんでいると操作のダイレクト感がなくなるので、なるべくピンと張るようにするのがポイント。

コントロールロープを右方向に引っ張るとラダーは左に切れて艇は左に曲がります。
コントロールロープの適当な場所に左右各1箇所結び目のコブを作っておくと、引っ張るときの手がかりになって操作しやすいです。

コントロールロープは毎回フネをしまうときは取り外してロッカーに保管、ラダーロープ(左右)はラダーに付けっぱなしにしています。

コントロールロープ、ラダーロープともにそんなに力が掛かるところではないので、両方とも3-4mmのロープで強度的に充分かと思いますが、コントロールロープは引っ張る時に細いと手に食い込んで痛いので、6mmくらいがよさそう。

これでトランポリンに乗ったときのラダー操作が格段にラクになるし、通常のラダーシステムが壊れたときのバックアップにもなります。
このシステムを作ってからトラブルは1回もないです。
欠点といえば、艤装に余計に時間がかかること(+2分)くらい。

このシステム、世界的に有名らしくてネットのフォーラムを見ても"Hajime System"と呼ばれて世界中のAI乗りが取り入れているようです。
日本人が考えたものが世界中に広まっているなんて、すごいですね。





セーリング 江の島

3連休唯一の晴れ日だったので、寒かったけど行ってきました。
最高気温9度。
気温ひと桁だとドライスーツの中を最大限の防寒対策をしても寒い〜。

10時ごろ出発、北東の風6−7mくらいでかなり波も立っている中、クオーターリーくらいで進みます。フルセールで最高スピード12km/hくらいまで出ました。
いつものように由比ヶ浜沖までくると、湾を吹き渡ってきた風のおかげでさらに風は強くなり、一時は80%くらいまでリーフ。稲村ヶ崎まで来るとちょっと落ち着いてきたのでまたフルセール。


稲村ヶ崎からは久しぶりに海岸寄りを走ってみます。
波まちのサーファー、134号線、そしてのんびりコトコト走る江ノ電を眺められるお気に入りコース。
ただ今日は波もあるので、岸よりの砕け波に巻き込まれないように岸からはある程度の距離を保ちながら。。


11時過ぎには江の島沖まで来ました。真っ白な富士山は今日は山頂のみ。


そして11時半ごろ江の島到着。
今日は大学の470が出ている以外はほとんどディンギーも出ていませんでした。

休憩後、帰りはひたすらポートタックのクローズで寒さと水しぶきに耐えるのみ。
水しぶきはたまに頭からかぶるくらいの感じで、水に濡れるとほんと寒かった。。

逗子に帰ってきたのは14時ごろ。
浜について艤装を解いていたら、右のアマを持ち上げた衝撃でアカの樹脂ボルトがポキっと。江の島で桟橋に繋いだ時、風向きと繋いだ向きが危なっかしくて、アマの先端がコツコツと桟橋にぶつかってしまったのですが、多分そのせいです。
帰りの途中でボルトが折れてたら、大変なことになってました。



念のため左右とも、手持ちの新品ボルトと交換です。


教訓とししてはアマにちょっとでも衝撃が加わってしまったら、ボルトは交換すべし、、です。衝撃を加えなくても、塩水や太陽光で自然劣化もするし、ここも消耗品ですね。

今日のログです。





AIをカートップで運ぶ 2

AIを安全にあまりお金を掛けずにカートップする計画、構想編です。



基本構想はこんな感じ。

・今持っているTHULEのルーフキャリア(アルミウイングバー)を使う前提。
・構造的にはRhino-Rackのものがシンプルで使い勝手もよさそうなので、参考に。
・費用を抑えるために部材はなるべく汎用品を使って、カスタムメイドの部品は最小限に。
・システムの組み立てはなるべく短時間で最小限の工具でできるように。
・重い船体を車の屋根に載せるので、走行中の安定性を考えて、トップヘビーにならないように、なるべく軽量に。
・海水がついたものを載せるので、錆びないように材質はアルミかステンレス。

あらためて御本家のパーツ一覧を見るとかなりの量です。
こんなにパーツがあるのなら、価格が高いのも無理はないのかもなあ、と思ったり。
と言うことは自分で作ってもそれなりの値段になっちゃう?という不安もよぎりますが、頭の中で構想するのはタダなので、まずはやってみます。

滑車やローラー、それから船体を引き上げるときに使うハンドウィンチなどは市販品を探せばそのまま使えそうです。

部材は軽くて錆に強くて、加工性の良いアルミの規格材を組み合わせて使うことにしました。
この規格材は日本の色々な業種で工業製品の試作にも使われていたりして、アクセサリーパーツも豊富で部材同士をいろいろな形に組み合わせることができます。
軽さと強度的には今回は断面30mm x 30mmの6シリーズが良さそう。(色はシルバー)
これだとフネの重量が乗った時に若干たわむ可能性がありますが、そこは構造でカバーするとして。

jp.misumi-ec.com


このフレームのいいところは4辺に凹状のレールがついていて、レール部分にナットを入れるとフレームの任意の場所にいろいろなパーツをボルト留めできる点。
例としてはこんな感じ。

 



こんな感じのフレーム同士を90度や120度に連結固定する金具も豊富に種類が揃っています。


基本的には直線のこのアルミフレーム材を組み合わせていけばなんとか形になりそうな気がするのですが、斜めのスロープ部分と水平のTHULEのキャリアバーの末端をつなぐ曲線部分をどう作るか?が難題。
御本家は黒の樹脂パーツでできていますが、市販品で似た形状のものはないので、ここは特別にカスタムで作るしかないのかなあ。。(高そう)

スロープ部分は船体を滑らせるので、表面は滑りがいい材質を使う必要がありそう。
(下の写真でいうと斜め部の黒い樹脂パーツ)


スロープ部分の角度は緩い方が引き上げるのは楽そうだけど、積み降ろしの時に車のサイドにたくさんスペースが必要になるので、まずは45度くらいで考えてみることにします。

と、ネットを検索しながらあ〜でもない、こ〜でもない、と思い巡らせているのも楽しい時間だったりします。




AIをカートップで運ぶ 1

今は逗子をベースに湘南エリアであちこち遊んでいますが、だんだんと他のエリアにも行ってみたい、という想いが少し前から強くなってきました。

キャンプ道具を積んで泊まりながらさらに遠くに脚を延ばすのも楽しいけど、AIを車に積めれば、日本中どこの海でも、いや海だけじゃなく湖にも行けるよなあ、、と。

アメリカではトレーラーに載せて運ぶのがポピュラーですが、日本の道路事情だと難しいので、カートップが現実的です。
カートップにはルーフキャリアが必要ですが、AIは左右のアマも合わせると60kg以上あるので普通のルーフキャリアだと強度、安全の面で不安があるし、普通のカヤックやカヌーみたいに1人で手軽に屋根に載せることも難しいし。

いろいろ調べていたら、アメリカやオーストラリアでAIやTIをカートップしている人が多く使っているシステムを見つけました。

#NKL - Nautic Kayak Lifter |


オーストラリアのRhino-Rackというメーカーの製品です。
リフターという名前の通り、簡単に重たい船体を屋根まで持ち上げることができるシステムです。
仕組みは下記の動画がわかりやすいです。
(動画でもAIが登場します)

www.youtube.com


降ろす時はすべり台みたいな感じで車のサイドから船体を斜面に沿って滑らせるような感じ。
積み込みは同じ斜面に沿ってロープとウインチで引き上げます。
これであれば車への取付もそんなに難しくもなさそうだし、日本でもポピュラーなTHULEのルーフバーに取り付けられます。

ネックなのは日本での販売代理店がなさそうなのと、価格。
US$744=約11万円・・。
これにTHULEのルーフバーも買わなきゃならないので全部で約15万?
さらに大物となると送料&税金も高そうで、全部で約20万超え?
高すぎ〜。

国内でもRhino-Rackの製品を扱っているところはあるのですが、人気があるキャンプ用品がメインでカヤックリフターは扱ってないようで、個人で輸入するしか手はなさそうです。

www.flexdream.jp


うちの車はもともとDIYのための木材なんかを運ぶためにTHULEのルーフキャリアが付いているので、これを生かしたい。しかもある程度安く。
ということで少し前からカヤックリフターを自作してみる方向でいろいろとDIYをやってます。

冬の間はあまり頻繁にセーリングの記事も書けないので、カートップ実現に向けてのいろいろ試行錯誤について書いてみたいと思います。