スモールボートセーリング - Small Boat Sailing

ホビーアドベンチャーアイランドを改造しながらセーリングを楽しむブログ

スピンネーカーの問題点解決 2

マストヘッド改造の続きです。

先日話を聞いた方の話では、マストヘッドを後方に伸ばすときは、下からハリヤードを思い切り引くので、ある程度弾力のある素材で延長した方がよい、とのことで塩ビパイプを使っていました。塩ビパイプがちょうどいいしなりで具合がいいみたいです。
ここにあまり硬い素材(アルミ等の金属など)を使うとハリヤードを強く引いた時にその力がもろにパイプにかかってパイプやパイプを支えているパーツがすぐ折れるので、しなりがあると、しなりでその力をいなしてくれるイメージですね。

ということで、黒の塩ビ丸パイプ(直径10mm)を使うことにしました。ただこの塩ビパイプの両端に付けるパーツは既存品では流用が思いつかなかったので新規に作る必要があります。
ここはCADで設計したものを3Dプリントして使うことにしました。

これが設計後プリントしてできあがったパーツその1。
3DプリントはABS系ではありますが、形状が経年変化や海水で変形したりしないように表面はつや消しブラックで塗装保護してあります。
それでも長年塩水に晒されると、そんなに長持ちはしないと思いますが、これでうまく機能しそうだったら、最終的にはABS切削で作り替える予定です。
このパーツをマストヘッド後方にSUSネジで固定し、ちょうど見える丸穴部分に塩ビ丸パイプを差し込んで固定するイメージです。

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で、これが一番スターン側に付くエンドパーツ。こちらは既存のハーケンのブロックを分解して取ってきた樹脂のプーリーがセンターにはまるようになっていて、ハリヤードを引いたときもハリヤードがプーリーでスムーズに走るようにしています。ちょうど写真右上の丸穴に塩ビパイプのもう一端がささります。

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これらのパーツもアルミなどの強固な素材で作ってしまうと、ハリヤードに強い力がかかったときにマストトップ本体にダメージがいくので、強い力がかかった時はこの部分が壊れてマストトップ本体を守る設計思想です。
ちょうどホビーのラダーピンがプラスチックでできているのと同じ思想ですね。


このようにマストヘッドに対しては長いSUSのM4ネジ2本で固定。
(マストヘッドの裏側のリブ2枚にM4ネジが通るように穴開け加工してあります)

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エンドパーツもM4ネジ2本でプーリーを挟み込むように固定。
プーリーは手持ちのブロックを分解して取ってきた樹脂製の直径30mmのもの。
プーリーの軸(センターのネジ)はM5です。
写真右下に見えるのが塩ビパイプ(外径10mm / 内径6mm)。
写真左側がスターン方向です。
マストヘッドから来たハリヤードは左から来てプーリーを通って右上に抜けていくイメージです。
ネジ類はもちろんすべてSUSです。

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ホビーの製品はすべてインチネジで作られているのですが、この改造部分に関してはすべて入手性のよいメートルネジを使っています。

そしてこれがマストヘッドと合体させた全体像。
左がバウ側、右がスターン側です。
マストに対して高い位置でハリヤードをリードし、マスト後方へも延長する、という当初のコンセプトは何とか実現できそうです。
塩ビパイプは写真で見えている部分だけでも長さ350mm、先端のプーリーと合わせてオリジナルより約400mmほど後方に延長できる感じですね。

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次は最後の3つめのポイント、スターン側の改造です。
次へつづく。。