スモールボートセーリング - Small Boat Sailing

ホビーアドベンチャーアイランドを改造しながらセーリングを楽しむブログ

スピンネーカーの問題点解決 1


スピンネーカーを試してみてひとつ気になったのは、スピンを上げているときにタックを変えると、スピンのハリヤード(マストより後方)がメインセイルのバテンに引っかかるという現象でした。
下の画像の矢印の部分がちょうどバテンに引っかかるのです。
スピンを上げる前には必ずメインセイルを少し縮小すればいいのですが、フルセイルで走りたいときはちょっと困ってしまいます。。
下の写真はHobie社の画像ですが、この画像でもバテンとハリヤード接触しているのがわかると思います。こうならないようにするにはどうしたらいいか。。


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同じ艇庫にアドベンチャーアイランドを置いている方から解決のヒントをもらいました。
スピンのハリヤードをマスト部分で支えているマストヘッドを改造しているとのこと。マストヘッドをオリジナルより高い位置にして、なおかつマストより後方部分を延長することで、バテンに引っかからないようにしていました。実物を見せて頂きましたが、すばらしい工夫です。やはり先人の知恵。

その方はゼロからマストヘッドを製作されていたのですが、私の場合はオリジナルのマストヘッドを元に改造することにしました。

コンセプトとしては、

1)マストヘッドの根元を延長してマストヘッドを高くする
2)マストヘッド後方のスピンをリードしている部分を後方に延長する
3)ハリヤードをスターンで固定しているポイントをオリジナルより後ろに移動する

の3点がポイントです。

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まずはマストヘッドの改造から。
ドラム部分とマスト先端の直径を測り、ホームセンターでその直径に近い円筒形のパーツを探します。すると、、あった〜!水道用品のところで水道管の継ぎパイプ(塩ビ)で直径が近いのがありました。色もよくあるグレーではなくてマストヘッドの色に近い濃紺なのも○。
汎用のパーツなので価格も安い!

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この2つを繋いでこんな感じでマストヘッドとマストの間に挟んで、マストヘッドの位置を上げる作戦です。写真の下側にマストの先端を、上側にマストヘッドを差し込むイメージ。

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といっても直径が微妙に違うので、旋盤で直径を合わせて2つが組み合わさるように加工しています。2つを繋いで、マストヘッドに組み合わせたのが下の写真。
ちょうど赤い部分だけオリジナルよりマストヘッドの位置を高くできることになります。
この位置は理論上は高ければ高いほどいいのですが、スピンを上げ下げする時にマストヘッドにはこのT字に対して左右にねじるような力が加わるので、その力でマストヘッドが破損しないよう、余り高くし過ぎない方がいいかなと考えています。

塩ビの追加パーツはマストヘッドに対して40-50mmくらい差し込む想定にしています。
この差し込み量も深く挿せば挿すほど強度に対しては有利ですが、かさ上げ量は減ってしまうので、バランスを考えることが重要です。

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この追加部品どうし、または追加部品とマストヘッドの固定は最初はボンドだけの予定だったのですが、ボンド接着には若干耐久性の不安が残るので、それぞれの部品にタップを切ってM5のSUS低頭ネジでそれぞれ3箇所(120度ピッチ)固定することにしました。
これでかなり強固な外力にも耐えられると思います。
1周している黄色いラベルにはマストヘッドを紛失しても戻ってくるように、携帯電話番号が書いてあります。

そしてこれがパーツの下端、マスト先端に挿し込む部分のアップ。
実はマストの直径に対してはちょっと内径が大きすぎてぶかぶかだったので、スペーサーを3Dプリンタで作ったものを入れて内径を調整しています。
これでマストに挿し込んだ状態で簡単には抜けないけど、ちょっと力を入れると抜ける、という絶妙な寸法関係にしています。


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と、ここまでで週末は時間切れ。

次はマストヘッドの後方への延長作戦です。
ここは新規パーツを作らなくてはならないので、ちょっとトライアンドエラーが必要そうです。